Lost #5.01 – Because You Left

LOST シーズン5 第1話「責めを負う者」

[過去]8:15AM。時計のアラームで目覚めた男は、赤ん坊にミルクを飲ませたあとシャワーを浴びて家を出る。集落にある別の建物に入った男は、白衣に着替えると、カメラに向かってマービン・キャンドル博士と名乗った。ダーマのステーション「アロー」用のオリエンテーション・フィルムの撮影を始めたところに、慌てて入って来たスタッフが、マービンを本名のチェンと呼んだため撮影は中断。怒るチェンだが、建設中のステーション「オーキッド」で異常事態が発生したのだと伝えられる。「オーキッド」に駆けつけると、現場監督がどうやってもドリルが通らない固い岩があると言う。そして、その岩の向こう側のスキャン画像によると、大きな歯車のようなものがある空間が存在しているようだった。何かとてつもないエネルギーがそこにあると感じたチェンは、これ以上その岩を掘り進まないよう指示。そこに居合わせた作業員の中には、なぜかダニエル・ファラデーが混じっていた…。

[現在]葬儀屋でジェレミー・ベンサムことロックの遺体を運び出そうとしているジャックとベン。なぜこんなことになってしまったのかと嘆くジャックに、君たちが島を出たからだとベンは冷静に答える。ジャックが、最後にロックに会ったのはいつだったのかと質問すると、ベンは「オーキッド」でジャックたちと別れたあと、ロックにそれまでのことを謝罪したのが最後だったと教える。今度は逆にベンが、なぜ島に戻りたくなったのか? ロックに何を言われたのかとジャックに尋ねる。その答えは、ジャックたちが戻らなければ、島に残された者たち全員が死んでしまうということだった。

[3年前]「オーキッド」の地下深くでベンが歯車を回すと、島は眩い光に包まれた。その時、アザーズの新リーダーとしてリチャードたちと一緒にいたロックだったが、次の瞬間には周りに居たはずの仲間が姿を消していた。仲間を探して一人さ迷っていたロックの頭をかすめるように、見覚えのある小型飛行機が通り過ぎ、遠くに墜落するのが見えた。驚くロックの足下には飛行機の積荷らしい、マリア像が落ちている。墜落現場に向かうと、やはりそれはエコーの弟イェミが乗っているはずの、あの飛行機であった。生存者がいるか確かめようと、飛行機が引っかかっている崖によじ登り始めるロックだが、何者かに狙撃され、足を撃たれて転落してしまう。動けないロックに近づいて来たのは、イーサンだった。ベンから君たちのリーダーになるよう頼まれたと言うロックと名乗る男を信じられず、イーサンは止めを刺そうとロックに銃口を向ける…。

一方、ソーヤーとジュリエットは、水平線の彼方に見えていた貨物船の爆発による煙が、突如として消えてしまったことに気づく。さらに、ローズがキャンプが無くなったと報せに来た。浜辺に戻ってみると、確かに皆の生活の場であったテントが跡形も無く消えている。ちょうどそこに救命ボートで引き返してきたファラデーは、キャンプは無くなったのではなく、まだ作られていないのだと告げる。他に何か人工の建築物はないかと尋ねるファラデーに、一番近いのは「スワン」ステーションだと答えるジュリエット。爆発で吹っ飛んでもう無いとソーヤーは教えるが、とりあえず皆でそこに向かうとフェラデーは言う。一体、何が起こっているのか説明しろと迫るソーヤーに、自分たちは時空をジャンプするようになってしまったのだと答えるファラデー。その時、島はまた光に包まれる。

[現在]息子として育てているアーロンと幸せに暮らしていたケイトを、ダンと名乗る弁護士が裁判所命令を携えて訪ねて来た。ケイトとアーロンの血液サンプルを採取し、本当の親子かどうかを確かめるのだと言う。依頼主が誰かを明かそうとしないため、門前払いするケイトだが、ダンは保安官を伴ってまた来ると脅して引き上げていった。ケイトはすぐに荷造りをすると、アーロンを連れて我が家をあとにする。

ロンドンからロサンゼルスに戻るため、空港にやって来たサン。チケットを買おうとすると、別室に案内され、そのまま閉じ込められてしまう。やがて、そこに姿を見せたチャールズ・ウィドモアは、自分に近づいてきた真意を知りたいと尋ねる。サンの答えはベンを殺すため…ただそれだけだった。

精神病院からハーリーを連れ出したサイードは、隠れ家であるモーテルへと案内する。しかし、そこには二人組みの殺し屋が待ち構えていた。かろうじて敵を倒すサイードだが、自身も麻酔銃のようなもので撃たれ、意識を失ってしまう。逆にサイードを助けて、モーテルから逃げ出すハーリーだったが、殺人犯と疑われ指名手配されるはめに…。

[島では]「スワン」に着くと、そこには残骸が残っているだけだった。だが、これでさっきのジャンプで、今は815便が墜落した後だということが分かった。ジャックたちが貨物船の爆発で死んだと思っているソーヤーたちは、ヘリコプターに乗らないようジャックたちに警告できるかも知れないと、どよめき立つ。しかし、ファラデーは過去に戻れても、それを変えることは出来ないことを教える。

自分を殺そうとしていたイーサンが、目の前から消えていた。そして周りを見ると、小型飛行機は崖から落ちており、錆びてボロボロの状態になっていた。そこにリチャードが現れ、ロックの治療を始める。なぜここにいるのが分かったのかと尋ねると、ロック自身から聞いたことがあったとリチャードは言う。だが、もしまた時間のジャンプが起きた時には、自分にはロックが誰か分からないかも知れないとも。その時には、これを自分に見せて欲しいと、リチャードはコンパス(方位磁石)をロックに手渡す。そして、島を救う方法はただ一つ。島から脱出したジャックたち全員を、再び島に連れ戻すしかないと伝える。ただし、そのためにはロックが死ななければならないと。もっと詳しく話を聞こうとするロックだったが、その瞬間またしても島は光に包まれる。リチャードの姿は消え、小型飛行機はまた崖の上に引っかかっている。そしてロックの掌には、コンパスが握り締められていた。

「スワン」の残骸が無くなっている。周りの土を掘ってみると、「スワン」のハッチが埋まっていた。これは何だと尋ねるマイルズに、デズモンドという男が一人で住んでおり、108分毎に世界を救っていることを教えるジュリエット。「スワン」の裏口に向かったソーヤーは、ここを開けろと激しくノックする。さっきも言ったように、過去には介入できないと注意するファラデー。ソーヤーにもそれは分かっているのだが…。その時、シャーロットの鼻血に気づいたファラデーは、皆に浜辺に戻るよう促す。そして一人きりになると、ソーヤーと同じように「スワン」の裏口をノックし続ける。やがて出てきたデズモンドは、相手が誰か分かなかったが、ファラデーはデズモンドが島から脱出できた時には、オックスフォードにいる自分の母を訪ねて欲しいと頼む。そして、母の名を教えようとした時、またあの光が…。

[現在]悪夢でうなされていたデズモンドを、隣で寝ていたペニーが心配げに見つめていた。目覚めたデズモンドは、やがてそれが夢ではなく、記憶だったことに気づく。3年前に自分を探しに来てくれたペニーの船サーチャー号で洋上にいたデズモンドだったが、何かを思い立ったように出航の準備を始め、オックスフォードに向かうとペニーに告げる…。

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