『ツイン・ピークス』の話をする時、いまだに不思議に思うことがあるので、良ければ聞いてやって下さい。今でもあれが何だったのか分かりません。
当時、初めて観たのは日本盤レーザーディスクのインターナショナル版パイロットと呼ばれる例の赤い部屋のシーンがラストにくるやつでした。
その赤い部屋のあるシーンで、クーパー捜査官に「君はローラ・パーマーだろ?」と尋ねられた女性がこう言います。
「彼女を知ってる気がするわ。でも、私ときどき腕が後ろに回るの」
ぶっちゃけ返事になってないんですが、それを聞いた瞬間にゾゾゾッと鳥肌が立ちました。そう、それは僕が幼稚園児の頃のこと…。
その頃、同じ組に好きな女の子がいました。ある日、僕もその子も母親が迎えに来るのがいつもより遅れて、二人きりで教室で待ってたんです。で、二人で遊んでいた時、その子が突然こう言ったんです。
「私ときどき腕が後ろに回るの」
その瞬間、まるで何か目に見えない力に無理やりされた感じで、その子の腕が後ろにググーっと曲がったんです!
で、僕は驚いてワーッ!とかって叫んだと思いますがハッキリとは思い出せません。
次に覚えているのは、僕の腕を引っ張って家に連れ帰ろうとする母親の姿。叫び声がするので後ろを振り向くと、その女の子の顔が校門の柵の間に挟まっていて、その顔は血まみれでした。しばらくして、ふと気づくと僕の手にはその子のヘアピンが握られていました。それを見た母親が捨てなさいと言ったので、道端に捨てたのを覚えています。
…数日後、僕たち一家は急に引っ越ししました。
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