LOST シーズン3 第23話 『終わりの始まり』
電波塔まであと1時間のところまでに迫ったジャックたち。だが、その前にアレックスを連れたベンが姿を現した。5分間だけ話を聞いて欲しいと頼まれ、ベンと二人きりになるジャック。ナオミの正体はこの島を狙っている “悪い者たち” の手先だと言うベン。沖合いで待機しているという船は救助隊ではなく、もし連絡を取ってしまったら、上陸して来る奴らにジャックたちも自分たちも全員が殺されてしまうだろうと。ジャックが自分の話を信じないと知ったベンは、無線で海岸キャンプにいるトムに連絡を取る。衛星電話を渡さねばサイード、ジン、バーナードを処刑すると脅されても、それに応じないジャック。すると無線から3発の銃声が…。怒ったジャックはベンを押し倒すと、狂ったようにその顔を殴り続ける。
海中ステーションでは、ミハイルは結局ベンに説得された通り、チャーリーだけではなくグレタとボニーの殺害も実行しようとしていた。妨害電波を発信し続けるためには、それを停める方法を知る者を生かしておくわけにはいかなかった。まずグレタを射殺したミハイルは、次に逃げようとしたボニーを撃った。だが隠れていたデズモンドが水中銃でミハイルの胸を貫く。ベンに裏切られたことを知ったボニーは、チャーリーに装置の解除コードを伝えて息絶えた。
海岸のキャンプに戻ったソーヤーとジュリエット。そこにいる敵はトムたち3名だけだが、武器が無いため手を出せずに苛立つソーヤー。すると茂みから急に車が飛び出してトムたちを跳ね飛ばす。ソーヤーたちのあとをつけて来たハーリーが、以前見つけたダーマのオンボロ車で突っ込んだのだった。ただ一人生き残ったトムは降伏するが、ソーヤーはウォルトを連れ去ったことへの仕返しだと言い、無情にもその場で射殺する。トムが持っていた無線で全員の無事を知らせるハーリー。サイードたちも生きていたと聞き、ジャックはベンが言った処刑は衛星電話を手に入れるための芝居だったことを知る。
デズモンドが帰りの酸素ボンベを準備する間に、解除コードの入力に成功したチャーリー。その途端、外部からの通信が入り、それに答えたチャーリーは相手がデズモンドの恋人ペニーだと知る。喜んでナオミから聞いた話をするチャーリーだが、ペニーはナオミなど知らず、救助船にも乗っていないと言う。その時、何かを叩く音に気づき、チャーリーがふと窓の外を見ると、海中には手榴弾を持ったミハイルがいた。あれが爆発すれば、窓から海水が流れ込みデズモンドまで死んでしまう。チャーリーが通信室のハッチを閉めると同時に手榴弾が爆発。一瞬遅れてそれに気づいたデズモンドだが、もうどうすることも出来ない。待機している船はペニーのものではない…そう自分の掌に書き、ハッチの小さな窓からデズモンドに見せたのが、チャーリーの最期のメッセージだった。
ナオミが手に持っていた衛星電話が通じるようになった。それはチャーリーが作戦に成功したことを示していた。ちょうど電波塔に到着したジャックたちは、ルソーの救難信号を止め、ついに電話をかけられるようになるのだが…。
シーズン・フィナーレの後半です。ジャックの回想は、いつもよりちょっと長めになります。
オーシャニック航空機に乗っている髭面のジャック。その振る舞いは明らかにアルコール中毒者のものだった。酒のお代りをキャビンアテンダントに断られ、ふて腐れていたジャックは、ふと見た新聞の死亡記事に目を奪われる。
真夜中、運転していた車を橋の上で停めたジャックは、飛行機の中で切り抜いた死亡記事をポケットから取り出し、誰かに電話をかける。留守電にメッセージを残そうとしたが途中で切り、車を降りると橋の欄干(らんかん)に飛び乗った。許してくれと呟くと、橋から身を投げようとするジャック。しかしその背後で交通事故が起こり、ジャックはケガ人を救うため自殺を思い止まる。
事故車から親子を救ったとヒーロー扱いされているジャック。だが、そんなジャックを心配して訪ねて来たのは元妻のサラだった。妊娠してお腹の大きくなったサラを見て複雑な思いのジャック。ジャックの酒癖を心配するサラだが、もっと心配なのは夜中の2時になぜジャックが橋の上にいたのかということだった。
救った親子の子供は元気だが、母親は重傷だった。かつてのサラと同じような状態の母親を見て、自分が手術で救うと言い出すジャック。だが担当医でもないジャックは外されてしまう。
死亡記事に書いてある葬儀場に着いたジャック。また誰かに電話をかけるが応答は無かった。一人で葬儀場に入るジャックだがそこに参列者はなく、ただひっそりと棺が置かれているだけだった。訪ねてきたのは自分だけだと聞かされたジャックは、しばらく棺の前で佇んだのち、静かにその場から立ち去った。
ドラッグ中毒でもあるジャックは、ニセの処方箋を書きクスリを手に入れようとする。だがウソを見抜かれたジャックは、とうとう自分の勤める病院からクスリを盗み出すようになる。ジャックが救った母親は、橋から投身自殺しようとしている男に気を取られて事故を起こした。そうジャックに告げた同僚の医師ハミルは、明らかにその男がジャックだと疑っていた。さらにハミルはジャックの中毒を指摘。するとジャックは上の階にいる父クリスチャンを連れてきて、もし父より状態が悪いと分かればクビにしてくれと逆ギレする。
ジャックがしつこく電話をかけるうち、その相手はようやく電話に出てくれた。会う約束を取り付け、待ち合わせ場所で待っていたジャックの前に現れたのは…。
★ドラマ本編のオチ、回想シーンのオチはどちらも一番最後に書きます。
では、小ネタや疑問、ヒントになりそうなことについて。
この先は核心ネタバレなのでご注意ください。
電話をかけようとしたナオミが突然倒れる。その背後にはロックがいた。ナオミの背中にはロックが投げたナイフが突き刺さっていた。落ちた電話を拾おうとするジャックを銃で脅すロック。もし電話をかけようとしたら、例えキミでも撃ち殺すと。だが結局ロックはジャックを撃てず、皆の前から姿を消した。電話に出た男に815便の生存者だと伝えるジャック。すぐに救助に向かうと答えた男の声を聞いた生存者たちは、お互い抱き合って喜ぶのだった。
だが本当のオチはこの先にあり。今までで一番衝撃の展開が待っていますが、読む方は自己責任で。
回想のオチ
ジャックの前に現れたのはケイトだった。なぜ葬儀に来なかったと責めるジャックに、行く必要は無いと答えるケイト。
ジャックは週末には必ずオーシャニック航空に乗って旅をしているとケイトに話す。東京やシドニーを行ったり来たり、オーシャニック航空から墜落事故のお詫びとしてもらった永久無料パスを使っていると。
なぜ自分はそんなことをしているのか? それはまたあの島に墜落するのを期待してのことだった。
もうウソをつくのは辛いと泣くジャックを置いて、ケイトは早く帰らないと彼にバレると言って去ってしまう。
姿の見えなくなったケイトに向かって、あの島に戻らなければいけないと叫び続けるジャックだった…。
と言うワケで、回想シーンと書いてきましたが実はそうではなく、島から脱出したあとのジャックの話でした。
死亡記事に載っていたのは誰なのか?
父クリスチャンが生きているみたいに話しているジャックだが、それは中毒による妄想なのか?
ケイトの “彼” とはソーヤーなのか?
ベンの話が本当でナオミの仲間は “悪い者たち” だったのか?
ロックもそれに気づいていたのか?…などなど新たな謎を残し、これにてシーズン3は終了です。