4400 未知からの生還者 オリジナル小説 第1弾
4400センター内の学校に通うマイアたちは、アラーナに引率され、マウントレニエ国立公園へと向かっていた。そこにそびえるレーニア山は、マイアたちが"生還"した瞬間、目の前に見えた思い出の山であった。しかし、ようやく公園に到着すると、マイアはレーニア山が大噴火を起こすのを予知してしまう。そしてその時、山の頂上では、ダイアナが見知らぬ男に噴火を止めるよう頼んでいる姿も見えた。マイアには誰か分からなかったが、ダイアナはその男をD.B.クーパーと呼んでいた…。
NTACシアトル支局では、早速マイアの予知について検討を始めていた。D.B.クーパー(*1)が生還者だった? しかも、火山を噴火させる能力を持っている? 一人で興奮しているマルコだが、問題なのはレーニア山の噴火の方だった。それによる被害は甚大だと予測されるが、噴火の正確な時期は分からない。マイアの予知は外れたことは無いとは言え、焦って公表すれば余計なパニックを引き起こすことになる。支局長のニーナは、まずはD.B.クーパーを追うよう、トムとダイアナに指示を出す。
生還者のファイルを調べていたトムたちは、クーパー・デミアーズという男に当たりを付ける。その能力についての記載は無いが、現在はスーパーマーケットの店員をしていることが分かった。店に向かいクーパーに声をかけようとすると、側にいた男が邪魔をしてクーパーを逃げさせる。その謎の男を追ったトムだが、相手は目の前で忽然と姿を消した。一方、ダイアナはクーパーを追っていたが、地震が起こり、その混乱で相手を見失ってしまう。
NTACに戻り再度ファイルを調べると、クーパーを逃げさせた謎の男もゴリンスキーという生還者だったと分かる。しかし、ゴリンスキーはアベンドソン精神病院(テスやケヴィンが入院していたところ)に、植物人間状態で隔離されていた。ゴリンスキーの能力はバイロケーション(bilocation = 別々の場所に同時に姿を現す)ではないかと、マルコは仮説を立てる。
アンダーグラウンド(*2)のツアーガイドをしているソンドラという生還者がクーパーの恋人だと気づいたトムたち。また邪魔をされないよう、トムは病院でゴリンスキーを監視し、ダイアナはギャリティーと共にソンドラを尾行することに。やがて、ソンドラは食料を抱えてアンダーグラウンドへと入って行った。やはりソンドラはクーパーを地下に匿っていたのだ。地下で地震を起こされたら、生き埋めになってしまうと嫌がるギャリティーを連れて、ダイアナもアンダーグラウンドへ。
クーパーとソンドラを逮捕し、地上に戻ろうとした時、ゴリンスキーがそれを阻止しようと現れた。海兵隊員で屈強なゴリンスキーの攻撃により、ギャリティーは一撃で倒されてしまう。だが、逆にダイアナが銃を撃っても、ゴリンスキーの体をすり抜けてしまうだけ。ダイアナから助けを求められたトムは、目の前で眠ったままのゴリンスキー本体を起こせば、もう一体が消えるのでないかと思いつくが…。一方、さらにアンダーグラウンドでは、懸念していた通り地震が起きた。精神的に不安になると地震を引き起こしてしまう。そんな自分の能力を、クーパー本人はまだ気づいていなかった…。
ここまでで、ちょうど半分ぐらいです。実際に本を買って読む方のお楽しみを奪ってしまわないよう、後半は伏せておきますね。アラーナやニーナが出てきて、おかしいなと思った方がいるかと思いますが、このお話は #3.06 の数日後に起きた事件ということになっています。後半は、その強大な能力を知ったノヴァ(生還者の過激派グループ)の残党やデニス・ライランドが、クーパーを狙って行動を開始します。
前述のウィキペディアにも載っていますが、『プリズン・ブレイク』ではウェストモアランドがD.B.クーパーの正体ということになってました。この小説でも、クーパー・デミアーズが『プリズン・ブレイク』のビデオを持っているという小ネタも。ちなみに、これはウィキペディアには載ってませんでしたが、『ツイン・ピークス』のクーパー捜査官(フルネームはデイル・バーソロミュー・クーパー)の名前の元ネタにもなっています。
ここで朗報! 著者によると、TVシリーズのその後を描く小説を書くよう依頼されたとのこと。今後は小説という形でシリーズが続くということになります。とりあえずは、2冊書く契約をしたそうです。
今秋発売の第2弾「Wet Works」は著者も違い、シーズン2の頃の話だそうです。