Lost #4.05 – The Constant

LOST シーズン4 第5話「定数」

島を飛び立ち、貨物船を目指すヘリの中、フランクは慎重にヘリの針路を修正する。出発前にファラデイから念を押された通りのコースを進まなければならないのだ。しかし、その先には雷雲が立ちこめており、それに気づいたサイードも針路を変えろと警告する。それでもコースを維持するため、雷雲に突入すると、やはりヘリは大きく揺れてコントロールを失いかける。振り落とされないようイスにしがみついたデズモンドは、次の瞬間、軍キャンプのベッドで眠っていた…。

その時、ちょうど上官が起床の号令をかけに来ていたのだが、デズモンドは起きるのが一瞬遅れてしまう。ヘリで雷雲に突っ込むと言う変な夢を見ていたせいだと言い訳するが、当然許してはもらえず、連帯責任で皆が厳しい訓練を受けることに。その最中、仲間に妙にリアルな夢の話をしているところをまた上官に注意されたデズモンドは、次の瞬間、なぜか夢のはずのヘリの中にいることに気づく。パニックを起こし、ヘリから飛び降りようとするデズモンドを止めようとするサイードとフランク。だが、デズモンドは自分を引き止めようとする二人が誰なのか見当もつかなかった。

その頃、島では。20分で貨物船に着くはずのヘリが、1日経っても着いていないと知り心配するジャックたち。そんな中、ジュリエットはファラデイとシャーロットがまったくヘリの心配をしていないことに気づく。その理由を聞かれたファラデイは、シャーロットの反対を押し切ってその秘密を明かし始める。島と外界は時間の流れが違うこと。そしてあるコースに従ってさえいれば、時間はかかってもヘリは無事に貨物船に着くことが出来ると。もし少しでもそのコースを外れたらどうなるのかとジャックが尋ねると、その時は “副作用” が起きるとファラデイは答えた。

ようやく無事に貨物船に着いたサイードたちだが、デズモンドが自分たちのことが誰か分かっていないと気づく。出迎えに現れた貨物船の乗組員からデズモンドを医務室に連れて行くと言われたサイードは、仕方なくそれに同意。自分を捕まえようとする乗組員に抵抗していたデズモンドは、また軍キャンプに “飛んで” いた。仲間に今度は貨物船にいたと話しながら、デズモンドはそれがただの夢ではないことに気づき始めていた。その夢に他に知り合いは出てこないのかと聞かれたデズモンドは、ただ一人だけ知っている人物がいたことを思い出す。自分がいつもペニーの写真を大事に持っていたことを。ペニーに連絡を取るため公衆電話に向かうデズモンドだったが、その寸前また貨物船に “飛ばされる”。医務室に閉じ込めらたデズモンドは、ベッドに縛り付けられた男から「あんたの身にも “あれ” が起こったんだろう?」と話しかけられる。

その男が急にピクリとも動かなくなったのを見て恐れるデズモンド。しばらくすると、男はふと意識を取り戻し、どこか別の場所で観覧車に乗っていたと話す。そこに入ってきた船医に注射を打たれ、男は眠らされてしまった。船医から診察すると言って目にライトを当てられた瞬間、デズモンドは軍キャンプの公衆電話にいた。ペニーに電話をかけてみたものの、自分を捨てて軍に入隊したと非難され、冷たく電話を切られてしまう。その瞬間、デズモンドはまた貨物船の医務室に戻っていた。

フランクの衛星電話を借り、ジャックに連絡を取ったサイードは、デズモンドの異変を報せていた。それを聞いたファラデイからデズモンドと話をしたいと頼まれたサイードとフランクは、医務室に押しかけてデズモンドに電話を渡す。ファラデイが今は何年かと質問すると、1996年だと答えるデズモンド。するとファラデイは、もしまた過去に戻った時は、オックスフォード大学にいる自分に会いに来るようデズモンドに指示。そして、その時は2.342という数値とエロイーズと言う名前を自分に告げて欲しいと伝えた。

気がつくとデズモンドはまだ公衆電話にいた。大学にファラデイを訪ね、未来のあなたからここに来るよう指示されたと話すデズモンド。最初は信じなかったファラデイだが、2.342とエロイーズの話を聞くと、デズモンドを研究室に案内する。そしてエロイーズと名付けたネズミに数値を2.342に合わせた放射線を照射。実験用迷路に放たれたエロイーズは、一度も間違うことなくゴールにたどり着いた。それを見て大喜びのファラデイだが、デズモンドはそれが何を意味するか分からない。ファラデイは、この迷路はさっき作ったばかりで、エロイーズはまだ1回も通ったことがないと教える。それなのに、今まで何度も通ったことがあるかのようにエロイーズは道を間違えなかったのだと。エロイーズを未来に行かせ、そしてまた戻って来させたということかとデズモンドが問うと、エロイーズそのものではなく、その意識だけをタイムトラベルさせたのだとファラデイは答えた。

話の途中でまた医務室に “飛んで” しまったデズモンド。そこに現れた乗組員は、無断でファラデイとデズモンドに話をさせたと怒り、フランクを船長の下に連行する。そして今度はサイードもデズモンドと一緒に医務室に監禁されることに。二人が話していたところ、ベッドに縛り付けられていた男がちょうど目を覚まし、デズモンドの名前を初めて耳にして驚いていた。ミンコウスキーと名乗ったその男は、あんたの名前を知っていると言い、その理由がペニーという女性が船に連絡を入れてきたからだと明かした。しかし、その後ペニーの通信には答えないようにと上から命令が下ってしまったと。

ファラデイの研究室で目を覚ましたデズモンドは、75分間も意識が無かったと告げられる。未来にいたのは5分ほどだけだったと答えると、ファラデイはタイムトラベルを何度も重ねていると、その度に元に戻るのが困難になってくると話す。そしてデズモンドがふと気づくと、エロイーズが死んでいた。何度も現在と未来を行き来するうち、どっちがどっちか分からなくなり、脳がそれについていけなかったのだろうとファラデイは言う。そしていつかはデズモンドも同じ運命になると。だが、それを防ぐ方法は無い訳ではなかった。この現象を止め、死を防ぐには、現在と未来どちらの世界でも存在する “定数” をしっかり認識すれば良い。ファラデイはそのような “定数”、どちらの世界にも存在し、デズモンドにとって大切な唯一不変のモノは何かあるかと尋ねる。自信を持って「ある」と答えたデズモンドは、その場でペニーに電話をかけてみるが、引っ越してその番号はもう使われていなかった。

そこで医務室に “飛ばされた” デズモンドは、どうしてもペニーに連絡を取らなければならないとサイードに頼む。しかしミンコウスキーによると、2日前に何者かがすべての通信装置を破壊してしまったらしい。通信室に行けさえすれば、通信機を修理できるとサイードが言うと、外からカギをかけられていたドアがなぜか開けられていた。君たちには他にも味方がいるらしいとつぶやくミンコウスキーを連れ、サイードとデズモンドは通信室へと向かう。

過去に戻っていたデズモンドは、とあるオークション会場を訪れ、そこにいたペニーの父チャールズに引越先を教えてもらう。そこで未来に “飛ばされた” デズモンドは、通信室にあったカレンダーから初めてここが2004年で、しかも今日はクリスマス・イブだと知る。だがその時、ミンコウスキーがエロイーズと同じように亡くなってしまった。そしてまた過去に戻されたデズモンドは、ペニーの新居を訪ねてみる。追い返されそうになるデズモンドだが、せめて新しい電話番号だけでも教えて欲しいと食い下がる。それさえ分かればすぐに帰ると言われ、ペニーが仕方なく電話番号を教えると、デズモンドは今から8年後の2004年クリスマス・イブに必ず電話すると言う。そして、もし自分のことを気にかけてくれているなら、その時まで番号を変えないでいて欲しいと。次の瞬間、未来にいたデズモンドは、サイードが修理したばかりの電話機を手に取った…。

* * * * *

今回はいつものようにフラッシュバックやフラッシュフォワードがある訳ではなく、デズモンドが一人で過去と現在を行ったり来たりする異色編。面白かったし、最後は泣けるし、良いエピソードでした…でもね、こんなの話を短くまとめられません。オチは書かなかったけど、それ以外はほとんど見たまんまを書いて載せることしか思いつきませんでした。

ついに姿を見せた貨物船の名前はカハナ(Kahana)。思いっきりハワイを思い起こさせる名前ですね。何か意味があってその名前にしてるのだろうとは思いますが、まさかハワイで撮影してるからって、その辺にあった船をそのまま名前も変えずに使ってるんじゃ…。

ミンコウスキーとはシーズン3の最後(島のパート)でジャックが衛星電話で話した相手です。演じているフィッシャー・スティーヴンスは僕の大好きなホラー映画『バーニング』でイカダの上で指チョッキンされる役の俳優さんです。んー、こんな説明で分かってくれる人は居ないような気がするぞ。

ペニーの父、チャールズがオークションで落札したのは、ブラックロック(島のジャングルにある帆船)の航海日誌。出品人はトヴァード・ハンソ(Tovard Hanso)。オークションナンバーは2342。

今回の頃のペニーは、デズモンドにかなり冷たく当たっていて、ちょっと嫌な感じ。でも、そのせいで最後に登場するシーンでは逆に思わず感動の涙が…(号泣。

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